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あかのめを育ててみた(ベックマンが)

きせかえアプリ見てたら鷹の目のお目目が赤に塗られてるイラスト(アイコン)があって珍しさに心がざわついて。

~○○年前~
なんやかんやで赤髪と鷹の目に子供が出来てしまった。何をしてるんだあの二人は。
「おれは絶対に嫌だぞ、赤髪で鷹の目をした覇王色で大剣豪のガキなんざ育てるのは。命がいくらあっても足りねぇ」
と丁重に断ったはずだった。

~15年後~
想像通り、というか想像以上にとんでもない奴に育った。
文字通りおれの命はいくらあっても足りなかったがそれよりもコイツを育てるのは楽しかった。
基本的な性格は鷹の目に似たようだが人懐っこさは大頭に似たようで安心した。生まれた時から仲間に囲まれて育つってのはいいもんだ。少なくとも現時点では暇潰しに船をぶった切るような奴には成長していないようだ。
初めて覚えた言葉は「剣」
「ベン」じゃねぇのかよと仲間に笑われたのも今となってはいい思い出だ。
そういえばおもちゃの剣を与えたら部屋中切られたな。……おもちゃのはずだが?

そして今日、

コイツは言った、「旅に出たい おれは世界一の剣豪になる」と。
とうとうこの日が来たか、と思ったと同時にやっと言ってくれたか、とも思った。誤解のないように言っておくが此処から追い出したかったわけじゃねぇ。
この船は快適だ。此処に居れば何も心配することはない。仲間だって猛者揃いだ。だが正直コイツの相手ができる「剣士」はこの船にはもういねぇ。ありがたいことに海の向こうから強い奴は来てくれるがそれでもコイツには物足りなくなっていたんだろう。

「行ってこいよ」
それだけ言ってまだガキっぽさの残る頬を撫でた。
「子ども扱いするな」
咎める言葉を無視しておれは撫で続けた。掌でコイツの体温を覚えておきたかった。

そうか。
こういう事か。

 

まで想像した。